チェロの歴史と楽器の構造
■チェロの歴史と楽器の構造
ヴァイオリン族の一つである弦楽器チェロ。テレビドラマなどでこの楽器の事を知った方も多いのではないかと思いますが、チェロ誕生の歴史や楽器の構造などもう少し詳しく見てみましょう。
現在使用されている様なチェロの形態が確立したのが18世紀末と言われており、それ以前は演奏の仕方や構え方などはそれぞれ異なっていたと推測されます。
例えば1732年にある音楽辞典では「チェロはイタリアの低音楽器でヴァイオリンの用に構えて演奏されていた」と記されており、1756年レオポルド・モーツアルトの「ヴァイオリン奏法」という著書では「チェロの弦はかつては5本だったが今は4本しかない」又「この頃は足の間に挟んで演奏されている」と記されている為、当時のいくつかの楽器が幅広くチェロとして使用されていたと考えられています。
実際、当時の絵画などを見るとチェロのような楽器を肩の上に乗せて、また胸に当てて演奏している様子がうかがえます。このようなチェロはヴィオロンチェロ・ダ・スラッパと呼ばれていました。
18世紀に入りより大きな音量が求められた為楽器自体の構成や演奏方法などが改良され現在使用されているチェロにいたったとされています。
チェロはクラシック音楽において最も重要な楽器の一つであり交響曲や弦楽四重奏、ピアノソナタなど様々な楽曲で低音部分を担当しています。又ソロ、独奏楽器としても重要で歴史上の数々の偉大な作曲家がチェロ協奏曲やチェロソナタなど、多くのチェロの名曲を残しています。
また、現在ではクラシック以外の音楽ジャンルでも盛んに使用されており、チェロの音色はジャズやポップス、またはロックなどでも聞くことができます。
ではチェロの構造を見てみましょう。
チェロの構造は同じヴァイオリン族でありヴァイオリンやビオラとほとんど同じになりますが、低い音を出すために楽器はヴァイオリンなどよりもはるかに大きく、そして楽器もはるかに厚みがあります。又大きく異なる点は、チェロは座って演奏される為エンドピンと呼ばれる亜鉛の合金やチタンなどでできた棒が楽器の下面からでる点です。
チェロは、椅子に座り楽器を両足に挟んで演奏されます。その時に楽器自体は体の胸の部分にねかせ、顔の左側に楽器を持ってきます。エンドピンは椅子の高さや演奏者の身長によって調節させます。
チェロも名曲はソナタ、協奏曲と共に数々ありますが、その中でもチェロ曲の最高傑作と呼ばれているのが、ドヴォルザークのチェロ協奏曲です。またベートーベンのチェロソナタやサン=サーンスの「白鳥」も演奏会で最も多く演奏されている曲の一つです。
■チェロの関連サイト
1.チェロ(※ウィキペディア。概要、構造、歴史等)